天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「フン」
鼻を鳴らすと、乙女ホワイトは襲いかかってくる刹那に、ゆっくりと右手を向けた。
「え!」
それだけで、刹那の動きが止まる。
「…人の身でありながら…同じ人から搾取する」
乙女ホワイトは、両腕のない刹那を見つめ、
「その身なれば、仕方がないのか?憐れと嘆くべきか…それとも」
乙女ホワイトは、刹那の向こうに現れた加奈子に気付いた。
「それこそが、人と言うべきか…」
加奈子が乙女ケースを持っていることに気付き、にやりと笑った。
「こんな雑魚を…殺すことは容易い。しかし!あいつが守ろうとした…人という種をできる限り殺したくはない。例え…純粋な人でなくとも」
乙女ホワイトは、人差し指を突きだした。
「お前の裁きは、同じ人から逸脱しているが…人に拘る者に預けよう」
人差し指を、窓に向けて曲げると、刹那の体は宙を舞い、窓ガラスを突き破って、月が照らすグラウンドに転がった。
「そこで、大人しくしていろ」
砂埃を上げながら、転がる刹那の体が突然止まると、全身に電気の網が絡まり、自由を奪った。
窓の下に、割れたガラスが散らばっていた。
その中で、一番大きな欠片に刹那が映っていた。
廊下から見下ろす乙女ホワイトと、ガラスの中の刹那の目が合った。
「ヒィ」
ガラスの中の刹那は、小さく悲鳴を上げて、震え出した。
「あ、あ、あるて…」
ガタガタと震え…いや、怯える刹那を無視して、乙女ホワイトは前を向くと、ゆっくりと歩き出した。
「装着!」
加奈子の突きだした乙女ケースが開き、紫の光が全身を包む。
「ほお〜」
乙女ホワイトは、紫の乙女スーツに包まれた加奈子を凝視した。
「死ね!」
変身と同時に、乙女ホワイトの周りに数千の包丁が現れた。
「乙女パープル!乱れ包丁!地獄舞!」
一斉に、乙女ホワイトに襲いかかる。
全体をくまなく、ムーンエナジーでコーティング包丁が突き刺さるはずだった。
しかし、乙女ホワイトの体に、切っ先が触れた瞬間…すべての包丁が砕け散った。
鼻を鳴らすと、乙女ホワイトは襲いかかってくる刹那に、ゆっくりと右手を向けた。
「え!」
それだけで、刹那の動きが止まる。
「…人の身でありながら…同じ人から搾取する」
乙女ホワイトは、両腕のない刹那を見つめ、
「その身なれば、仕方がないのか?憐れと嘆くべきか…それとも」
乙女ホワイトは、刹那の向こうに現れた加奈子に気付いた。
「それこそが、人と言うべきか…」
加奈子が乙女ケースを持っていることに気付き、にやりと笑った。
「こんな雑魚を…殺すことは容易い。しかし!あいつが守ろうとした…人という種をできる限り殺したくはない。例え…純粋な人でなくとも」
乙女ホワイトは、人差し指を突きだした。
「お前の裁きは、同じ人から逸脱しているが…人に拘る者に預けよう」
人差し指を、窓に向けて曲げると、刹那の体は宙を舞い、窓ガラスを突き破って、月が照らすグラウンドに転がった。
「そこで、大人しくしていろ」
砂埃を上げながら、転がる刹那の体が突然止まると、全身に電気の網が絡まり、自由を奪った。
窓の下に、割れたガラスが散らばっていた。
その中で、一番大きな欠片に刹那が映っていた。
廊下から見下ろす乙女ホワイトと、ガラスの中の刹那の目が合った。
「ヒィ」
ガラスの中の刹那は、小さく悲鳴を上げて、震え出した。
「あ、あ、あるて…」
ガタガタと震え…いや、怯える刹那を無視して、乙女ホワイトは前を向くと、ゆっくりと歩き出した。
「装着!」
加奈子の突きだした乙女ケースが開き、紫の光が全身を包む。
「ほお〜」
乙女ホワイトは、紫の乙女スーツに包まれた加奈子を凝視した。
「死ね!」
変身と同時に、乙女ホワイトの周りに数千の包丁が現れた。
「乙女パープル!乱れ包丁!地獄舞!」
一斉に、乙女ホワイトに襲いかかる。
全体をくまなく、ムーンエナジーでコーティング包丁が突き刺さるはずだった。
しかし、乙女ホワイトの体に、切っ先が触れた瞬間…すべての包丁が砕け散った。