天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「おはようございます」
「おはよう!」
そんな生徒達の声の中、
「おはようございます」
一人一人の生徒に、おはようと返すのは、生徒会長九鬼真弓だった。
多くの生徒の命を奪った極楽島での合宿は、それを企画した学校関係者が処罰されることになった。
奇跡的に復活した黒谷理事長の手によって…。
いや、奇跡ではなかった。
月の女神イオナの力によって、脳死の状態から回復したのだ。
「我ら汚れた一族の末裔でありながら…月の女神のご加護を受けるとは…。我ら黒谷一族は改めて、永遠の忠誠を誓います」
涙を流しながら、礼を述べる黒谷の姿を、九鬼は一生忘れることはないであろう。
しばし感慨にふけった後、黒谷は九鬼にこう言った。
「島を売却しょうとした者達には、処罰を与えましたが…肝心の首謀者と思われる上野先生の行方がわかりません」
上野と名乗っていたリンネは、忽然と姿を消していた。
「それに…彼女の計画に、結果的に加担することになってしまった前田先生の落ち込みも激しく…」
綾瀬理沙と高木真由の正体を探るという目的の為に、高坂やさやか達の力を借りて、周りに被害が及ばない極楽島で秘密裏に行うはずだ。しかし、 多数の死傷者を出してしまった。
責任を感じた前田絵里香は、自ら謹慎を申し出ていた。
「前田先生に非がなかったとは申しませんが、それを責めることはできません」
悲しげに睫毛を伏せた黒谷を見つめながら、九鬼は何も言えなかった。
(誰が…悪いのか)
九鬼は生徒達に笑顔で挨拶をしながら、黒谷との会話を思い出していた。
(しかし…)
もうそれは、結果でしかない。
起こったことを、いつまでも悔やんではいけない。
(死んだ者のことは、忘れてはいけないが…)
人は、忘れていく生き物である。
「クッ!」
そんなことを考えていると、突然右足が痛んだ。
なくなった足を補填する為につけたオウパーツは、恐ろしいことに、ほぼ1日で膝から下の部分を復元して見せた。
「おはよう!」
そんな生徒達の声の中、
「おはようございます」
一人一人の生徒に、おはようと返すのは、生徒会長九鬼真弓だった。
多くの生徒の命を奪った極楽島での合宿は、それを企画した学校関係者が処罰されることになった。
奇跡的に復活した黒谷理事長の手によって…。
いや、奇跡ではなかった。
月の女神イオナの力によって、脳死の状態から回復したのだ。
「我ら汚れた一族の末裔でありながら…月の女神のご加護を受けるとは…。我ら黒谷一族は改めて、永遠の忠誠を誓います」
涙を流しながら、礼を述べる黒谷の姿を、九鬼は一生忘れることはないであろう。
しばし感慨にふけった後、黒谷は九鬼にこう言った。
「島を売却しょうとした者達には、処罰を与えましたが…肝心の首謀者と思われる上野先生の行方がわかりません」
上野と名乗っていたリンネは、忽然と姿を消していた。
「それに…彼女の計画に、結果的に加担することになってしまった前田先生の落ち込みも激しく…」
綾瀬理沙と高木真由の正体を探るという目的の為に、高坂やさやか達の力を借りて、周りに被害が及ばない極楽島で秘密裏に行うはずだ。しかし、 多数の死傷者を出してしまった。
責任を感じた前田絵里香は、自ら謹慎を申し出ていた。
「前田先生に非がなかったとは申しませんが、それを責めることはできません」
悲しげに睫毛を伏せた黒谷を見つめながら、九鬼は何も言えなかった。
(誰が…悪いのか)
九鬼は生徒達に笑顔で挨拶をしながら、黒谷との会話を思い出していた。
(しかし…)
もうそれは、結果でしかない。
起こったことを、いつまでも悔やんではいけない。
(死んだ者のことは、忘れてはいけないが…)
人は、忘れていく生き物である。
「クッ!」
そんなことを考えていると、突然右足が痛んだ。
なくなった足を補填する為につけたオウパーツは、恐ろしいことに、ほぼ1日で膝から下の部分を復元して見せた。