姪は叔父さんに恋してる
やきもきが行動にまで表れてしまったらしく、空いている手を握っては開くというおかしな遊びを繰り返していると、叔父さんにまた「何かのおまじない?」と言われてしまった。
そんな無意識な構い方が優しいけど、今の私には逆効果だということを察してほしい。
…もっとも、深層心理ではそれを密かに喜んでしまう。
悲しい性だと自嘲したい。
だからこれはほんの仕返し。
ニコニコ微笑む叔父さんを見上げ、
「叔父さんには好きなコはいないの?」
訊き返してやった。
強制的に答えを聞き出してやろう。
叔父さんくらいの年齢の人なら好きな人は高校や大学の同級生辺りか。
…私自身、叔父さんの好きな人の話なんて聞きたくもない。
でも現在進行形とは限らない。
もしかすると叔父さんは初恋すら経験していないんじゃないか。
そんな期待があった。