姪は叔父さんに恋してる
「いるには…いるかな。」
「えっ……。」
訊いておきながら私が絶句だ。
ちょっと上を見ながら嬉しそうに語る叔父さんの顔を見た瞬間、私の脳内を様々な情景が駆け巡った。
それらは全部、過去私が知る限りの、叔父さんと関わった幾人もの女性達の姿。
…嘘…。そんな素振り、今まで見なかったのに。
「だ…、誰っ?」
自然に振る舞おうとしたけど無理だ。声が上ずった。
すると叔父さんが、視線をゆっくりと空から私のほうに切り替えた。
「八智絵。」
私の頭に手を乗せるというおまけ付き。
一瞬状況が呑み込めず、
「……私……?」
「そう。俺の大事な姪っ子。」
「っ!!」
すぐに、叔父さんにからかわれたのだと気付いた。
「ひっ、ひっどい!!」
「ははは、嘘は吐いてないんだけどな。」