姪は叔父さんに恋してる


そうだった。

断言出来る。
叔父さんは私が好きなんだ。
女としてでなく、姪っ子としてとても大事にしてくれてるんだ。

私がこういう質問をすれば、叔父さんがこういう反応をするのは分かりきっているのに、どうして気付かなかったんだろう!

「叔父さんひどい!
喜ぶタイミング逃したっ!」

内心悲憤しているってことは叔父さんにはバラさない。

「おや、八智絵もまんざらじゃないのか?」

どうしてそんな楽しげに、そんな重要なことが訊けるんだ。

また絶句していたかったけど、黙ったままなのは色々な意味で損。

「私も叔父さんのこと大好きだよ。姪っ子で、す、か、ら。」

嫌味ったらしく言ってみた。
叔父さんに対してじゃなく、自分への嫌味。


それでも叔父さんは嬉しそうだった。
望み通りの反応だったのが良かったみたい。

こんな浮かれポンチな人を目の前にしてよく笑ってられるね。

よく気付かないでいられるね。
…叔父さんのバカ。



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