姪は叔父さんに恋してる


「叔父さん、学校着いたら何したい?」

あと数分の道のりなのにそんなことを訊く。

「そうだな…。恩師に会いたいんだが、きっともう転勤しただろうし。
懐かしの校舎をぶらぶらと回るよ。」

「出店を制覇するんだーなんてことは言わないんだね。」

子どもじゃないんだから言うわけないか。


「八智絵が回りたいなら付き合うよ。」

「本当?」

大人だなぁ、と私がしみじみしてしまった。


でも、やっぱり良いものなんだろうな。自分の母校に来るっていうのは。

私はまだ中学生だから母校って言うほど親しみも感じてないけど、叔父さんが言うなら良いものなんだ。きっと。

恩師も先輩も友達も、懐かしいなぁって思いながらそれぞれの顔を思い出すんだろうな。

叔父さんが好きなものを、私も好きになれたらいいな。



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