姪は叔父さんに恋してる
他愛ない会話を、息継ぎもせずに次から次へと交わしていると、10分もかからない内にK高の校門が見えてきた。
がっしりとした造りの建物で、校門から校舎へ繋がる道には、大きな桜の木が左右にずらりと並んでいる。
夏だから青葉が繁ってなかなか良い。
春なら満開の桜の下、お花見でも出来そうだ。
来年叔父さんを誘って見に来なくちゃ。
そして今日の一番のイベント。
校門から校舎まで、カラフルな垂れ幕や装飾が所狭しと施され、桜の木の下では高校生達の出店が軒を連ね、大変な賑わいを見せていた。
時間的に早いかと思ったけど、皆のお祭り気分のほうが上回っていたようだ。
ちらりと横目で叔父さんを盗み見れば、やっぱり。
表情は落ち着いているものの、雰囲気がどこか嬉しそうだった。