姪は叔父さんに恋してる
「すみませーん…。」
売り場を覗き込みながら声をかける。
「あ、いらっしゃいませー。」
すぐに売り場の奥から腕章を付けた女子生徒が顔を出す。
化粧をして髪も赤茶色に染めたいかにもな女子高生だ。
私より背が高い。
「金券、千円分ください。」
でも特別感慨は無いから、淡々とお札を差し出せば、女子生徒は嫌な顔ひとつせず、むしろ営業スマイルでお札を受け取る。
接客バイトで培った技術なのだろう。やたらと…可愛い…。
…だからちょっと罪悪感。
「ねえ、ちょっといい?」
すると、女子生徒は金券を差し出しながら、私に耳打ちしてきた。
よく意図が分からないけど、大人しく耳を貸す。
「君と一緒に来てる男の人、恋人?」
「なっ…!!」
思わず小さな悲鳴を上げてしまった。