姪は叔父さんに恋してる


「どこかでお茶しない?」


「え?」


私はその場でパンフレットを畳んだ。

そして叔父さんの返事を聞くより先に素早く手を取ると、地図に載っていたPTA会議室へ向けて歩き始める。

生徒達の開く喫茶店よりは静かだろうと見越したからだ。


「八智絵、喉が渇いたなら自販機で飲み物を買おうか?」

叔父さんがそんな気遣いをしてくれるけど、やっぱり鈍い。
女の子が「お茶したい」と言う時は喉が渇いたからじゃなくて、

何かを話したいからなのだと、察してよ。


「カップでお茶が飲みたいの。」


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