姪は叔父さんに恋してる


階段を下って下って、一階までノンストップで下りきると、私は叔父さんに訊ねた。


「おじさん、PTA会議室ってどこ?」


本当はさっき地図で見たから場所を知っているんだけど、これは敢えて。


「ここを左に行ってすぐだ。」

ありがとう、と短くお礼を言って、また手を引いて歩き始める。

叔父さんは皆目見当がつかないらしく、どこか困った顔をして、連れられるままに私の後に付いて来てくれた。


私は一人考える。

ほら、こういう質問には素直に答えてくれるじゃない。

ならきっと大丈夫。
叔父さんはきっと答えてくれる。


“私に何を隠してるの?”って質問に。


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