姪は叔父さんに恋してる
「あ、いらっしゃいませー。」
入室一番、保護者会の人らしい優しそうなおばさんが、エプロン姿で出迎えた。
PTA会議室は保護者会の人達が開く“ちゃんとした”喫茶店で、テンションの高い高校生の介入や騒がしいイベントなんかは一つも無い。
だから静かに話し合うには最適だ。
室内はなかなか盛況で、全体的に子連れの母親やご老人などが目立つ。
「あそこ座ろ。」
私は叔父さんを引っ張り、窓際の隅の席を選んで座った。
「…………。」
でも座った途端、私は口をきつく引き結んでしまった。
こうして向き合ったはいいけど…これからどうしよう?
いくら叔父さんでも、きっと私の様子がおかしいことに気付いてる。
「…八智絵、」
だからひとまずここは…、
「…すみませーん、紅茶ふたつお願いします。」