姪は叔父さんに恋してる
「…時々、やけに鋭いなとは思っていたけど…。」
叔父さんはどこか諦め気味に、カップを机に置く。
やっぱり、何か隠してた。
でもそれを素直に話してくれるかと言われたら、
「だが、ごめん。
八智絵には言えない。」
「え。」
それは否だ。
「なに、それ。」
私は呆然と、ほとんど意識しないで唇を動かす。
確かに、言いたくないことを無理に言わなきゃいけない場面でもないし、言ったところで叔父さんが得をすることもない。
だって得なことを隠すわけないもの。
でも、それは私が叔父さんに初めて感じた…“憤り”。
「何それッ!?
なんで隠すのッ!!」
キレた。
拳を握り締め、躊躇うことなくそれを机に叩きつける。
ガシャンと大きな音が響いて、二人のカップはその拍子に床に落ちる。
カップが割れる盛大な音で、室内中の人の目が集まった。