姪は叔父さんに恋してる
「そんなの!
今は他の人なんか関係ないッ!!叔父さんが答えてくれなきゃ…ッ!」
なおも叫ぶ私を、叔父さんはただ黙って見つめ、
やがて緩慢な動きで口を開く。
でも口調は、冷たかった。
「八智絵が知る必要は無い。
どうしてそこまで知りたがるんだ?」
なんだか、早くこの話題を止めたいような、鬱陶しそうな物言いだ。
…当然か。
こんな修羅場、誰も長引かせたいなんて思わない。
“知る必要ない”と言われたせいで余計に怒りが湧いたけど…、その後の“どうして”のせいで答えることが出来なかった。
“叔父さんが好きだから”なんて言えない。
叔父さんを束縛する権限が私には無いから、余計に言えない…。
だからなんとか言い訳を考える自分がいる。
嫌われないようにしてる自分がいる。
…こんな子どもみたいな我が侭を言ってる時点で、少なからず嫌われている筈なのに。