姪は叔父さんに恋してる


少し言葉に迷って、


「…嘘吐かれるのが嫌だから…。」


そんな、やっぱり子どもみたいな答え。

漠然とし過ぎてる。
漠然だからか、叔父さんはさっきよりハッキリとした声で言う。


「俺が八智絵に隠し事をしてはいけない決まりは無い。
…誰にでも、詮索されたくないことはあるんだ。八智絵。」


「詮索…って…!」

そんな言い方…あんまりじゃない?

「私ただ…、」

叔父さんになら何を言われてもいい。ただ隠し事してほしくないだけ。

だって今まで、叔父さんは色んな秘密を明かしてくれたじゃない。

好みだって、言いにくいことだって、思い出だってたくさん教えてくれた。
私、話を聞く度にもっと叔父さんが好きになったのに。


…でも、詮索だなんて…。

私が迷惑だって、言うの?


私は叔父さんが好きなだけなのに。


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