姪は叔父さんに恋してる
そんなの、今更後悔しても遅いことは分かってる。
でも私だって、叔父さんを怒鳴りたくなんかなかった。
一人にしたことも、頭では悪いと思ってる。
仕方ないんだ。
だって今回は叔父さんが悪い。
叔父さんが、怒らせることを言うから。
…自分から誘ったくせにとか、散々叔父さんとの時間を堪能したくせにとか、罪悪感が膨れてくるのを抑えられない。
それ以上に、叔父さんが思い通りにならないことが、子どもな私には我慢ならない。
叔父さんが欲しいのに、上手くいかないのが悔しい。
「……もうッ!!」
握り潰した2枚のチケットを昇降口にあるゴミ箱に押し込む。
これで気持ちが少しは晴れるかと思ったけど、結局は虚しさだけが残った。
…今更戻っても自分を惨めにするだけ。
叔父さんに怒られるのも嫌。
真っ向から嫌われるのも嫌。
私は逃げる形で、そのまま校舎を出た。
後ろめたい気持ちは、どこまでも後を引いた。