姪は叔父さんに恋してる


「…ん、久しぶり。
智子伯母さん。」

愛想悪くならないよう気をつけながら答える。

《あ、家に上がるわけじゃないのよ?ただ智尋と玄関先でお喋り出来たらいいな~と思ってるだけなの。》

「…は?玄関先?」


私はハタと気付いた。

これは智之の企て。
私の人間性を問う、とっても底意地の悪いテストだ。


「…い、いや、そんな玄関先だなんて…。
伯母さんお客さんなんだから家に上がってよ…。」

《まぁ!お客さんってほどでもないわよぉ。
それに夏なんだから寒くないしね。伯母さん強いのよ~?》

「夏とか関係ないってば…。
ほ、ほら、陽射し暑いだろうし…やっぱり家に入ってよ。クーラーつけるよ…。」

《要らないわよぉ。
環境問題とか考えて、団扇とお茶で涼むから大丈夫!》


駄目だ…!!
やっぱりこの親子嫌いだ…!!


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