姪は叔父さんに恋してる


とん、とん、と階段を下ると、リビングに移動する途中の智子伯母さんに会った。

「あら八智絵ちゃん!
久しぶりー!元気かしら?」

「うん。元気だよ。」

仕事帰りなのか、伯母さんは白いスーツ姿だ。
お母さんと並ぶと、あんまり似てないなと思う。
どっちかと言うと叔父さん似。

…つまり私は容姿的に叔父さんには似てないってことか。

少しだけ伯母さんが妬ましい。


そこで、何か足りないものを感じる。

「あれ?智之は一緒じゃなかったんだ。」

智子伯母さんの息子がいない。
さっき電話したっていうのに。

「そう。今華実ちゃんの所。
本当に華実ちゃんのこと好きよねぇ智之ったら。」

そこまでは聞いてないのに…。

でも煩い奴がいないのは嬉しかった。
久々にゆっくり伯母さんの話を聞くのも面白いかもしれない。


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