姪は叔父さんに恋してる
「叔父さん、…触れたい、って…?」
私は率直に訊いた。
叔父さんは答えにくそうな顔をしたけど、言葉を濁すことはせず、
「…俺はね、八智絵に“欲情”したんだ。」
私が、欠片も予想していなかった答えを言い放った。
「…欲、情…って…。」
私ももう中学生だ。
欲情という言葉も、その意味もよく知ってる。
それは私が叔父さんに抱いた感情でもあるから。
「その時俺はまだ若かったからそれを抑制する道徳心に欠けていた。
…いけないと分かっていても、自分を抑えきれず…、
頬に触れ、脚に触れ…最終的に俺は八智絵の服を剥いだ…。」
淡々と語る叔父さんの話を、私は半分夢の中にいる感覚で聞いていた。
にわかにはとても信じられなくて、内容が頭に上手く入ってこない。
ひょっとしたらこれは幻聴なのかもという感覚だ。