姪は叔父さんに恋してる


「八智絵が居合わせていたからふざけて言ったんだろう。
俺は清原に会う度に八智絵の話ばかりしたから。」


「は……?」


じゃあ、何…?

清原さんが言ってたことって全部…、私を嫉妬させるため?

あ、あんな生々しい嘘吐く大人っている普通っ?
すっかり私信じて…、一人で突っ走ってしかも叔父さんに怪我させて…!


「…じゃあ私…、くだらない誤解して、叔父さんを殺しかけたの…!?」


最悪。
一番やっちゃいけないことじゃないか。
一歩間違えれば本当に取り返しのつかないことになるのに…!!


「確かに少し驚いたけど、殴られたことは気にしていないよ八智絵。」


私は叔父さんの言葉に顔を上げた。

でも、許されたことへの喜びからじゃない。
逆。

大切な大切な叔父さんを傷付けた私を、私自身が一番許せないからだ。


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