姪は叔父さんに恋してる


開口一番、私は自分を罵倒しようと思っていた。

それなのに、叔父さんのほうが僅かに早く私の言葉を遮る。

「言っただろう?叔父さんは八智絵が大好きなんだ。
だから八智絵の手で殺されるなら本望。八智絵のものになれるなら、尚更嬉しい。」

けど、急に叔父さんは表情を厳しくして、


「…ただ俺が許せないのは、八智絵の言葉だ。」


「私、の…?」


―――叔父さんが喜ぶなら殺されたっていい…。
……犯されたっていい…。何だってしてあげる…。


やだ私ったら。ついつい本心言っちゃってたんだ…。


「“叔父さんが私を拒むなら、私は叔父さんを殺して自分も死ぬ。”

八智絵はそう言ったんだ。」


「……あ、そっちか…。」


何気なく言った(いや、自分的には重要なことだけど)言葉に、叔父さんは憤慨して…悲しんでいた。


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