姪は叔父さんに恋してる
現れたのは、手術着を纏った外科医の先生。
叔父さんより年上の、少し白髪混じりのお医者さん。
「あぁ、藤村さんの姪っ子さん…。やっと落ち着きましたか。」
先生は笑みを浮かべる。
「叔父さんは…、助かったんですか……?」
「無事…ではないですが、安心して下さい。叔父様は命に別状はありません。」
先生は更に優しく微笑んだ。
叔父さんが、生きてる。
良かった。本当に。
嬉しい。
「おじさん…、……っ…!」
「ははは。手術前からあれだけ泣いていたのに、まだ涙が出るんですか。」
糸が切れたみたいに私は、涙をポロポロ流して喜びを表した。
そんな私の頭を、先生は優しく撫でる。
叔父さん以外の男の人には触られたくなかったけど、先生は叔父さんと同じくらい大切だ。
命を、救ってくれたのだから。