姪は叔父さんに恋してる


泣きながら、頭ではハッキリと自分の望みが分かってる。

叔父さんに会いたい。
叔父さんの顔を見たい。
抱きしめて、うんと謝って、うんとうんと、好きだと伝えたい。


「…いつ、叔父さんに会えますか…?」

今すぐ会わせてと言いたいけれど、それが無理なことくらい私にも分かってる。

だから待つ。

叔父さんの顔を見るためなら何時間だって何日だって待つ。


先生は一度手術室を振り返ってから、どうしたものかと頭を掻く。


「会わせてあげたいんですが…、手術後の処置とか個室移動とか色々とありますからねぇ…。
一度自宅に帰られては…?」

言うと思った。

でも私だって引かない。
引いてたまるか。

「先生、ここで待たせてください。何時間でも待ってます。叔父さんの無事な姿を見ないことには…、家に帰ったって不安になるだけです…。」


「…………んー……。」


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