姪は叔父さんに恋してる


―――


――――


―――――



叔父さんとの面会が許されたのは、それから3時間後。

手術の時間もあって、外はすっかり暗くなってしまった。

流石にお母さんに心配かけるかな、と思うけど、今更叔父さんをほったらかして電話をかけに行くなんてこと、したくない。


先生に案内された、廊下の一番奥の個室の前で、私は大きく深呼吸。


「ぉ、叔父さん………。」


室内に入ると真っ先に、


「……っ……―――!」


叔父さんの綺麗な寝顔が目に留まった。
伏せられた瞼が放つこの上ない色香。

でも、頭に巻かれた包帯とか、石膏の入れられた両脚とかが痛々しい。
先生の話では、頭は軽くぶつけただけだから大丈夫だけど、両脚は鉄骨の直撃を食らって複雑骨折したらしい。


駆け寄りたいのを必死で我慢して、私は一歩一歩踏み締め、叔父さんに近付いていった。


< 204 / 245 >

この作品をシェア

pagetop