姪は叔父さんに恋してる
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頭を撫でられるのが心地よかった。
大きくて温かい手が本当に好きで、それが叔父さんのものだから、幼い頃の私はどんどん惹かれていったのかもしれない。
叔父さんが私に特別な感情を抱いたという5才の頃には、私はもう盲目的に叔父さんが好きだった。
幼稚園のお迎えの際には、叔父さんに抱っこされた友達と殴り合いの喧嘩を展開し、小学校の授業参観日には見に来てくれる叔父さんのために39度の熱でも登校した。
どちらも叔父さんは少し困った顔をした。
そんなことをしては駄目だ、と教わった。
でも叔父さんは必ず、私が困っていると助けてくれた。
一族集まって出掛ける日なんか、迷子になった時には、いつも叔父さんが捜し出してくれたよね。
宿題も遊びも、小さな私を楽しませてくれたのは叔父さんだけ。
私はきっと子どもながらに、叔父さん無しでは生きていけない体になったんだ。
だから叔父さんが死ぬなら…、私も死なないと。
叔父さんのいない世界は苦痛だから。
叔父さんのいる世界の素晴らしさを、二度と忘れられなくなったから。