姪は叔父さんに恋してる


外は4月らしい澄み渡った青空だった。

絶好の入学式日和と言うべきか、叔父さんとの散歩日和と言うべきか。
私に言わせれば明らかに後者だ。


暖かな住宅街を、駅を目指して歩く中、私は叔父さんに質問をする。


「叔父さん、もし私が順調に卒業出来ても…あの家に置いてくれる?」


正直なところ、私はあまり勉強が得意ではない。
留年も無いとは言い切れない。

留年なら…その分家にいさせてもらえるけど…、その後は?
独り立ちしろとか言わないよね?
叔父さんはまだ、父親みたいな性格が抜けきっていないから。


叔父さんはおぼつかない足取りを緩めることなく、


「ずっとずっと、居てほしいな。」


「………っ!」


可愛い答えをくれた。


普段の私なら悶絶必至。
でもこの時ばかりは、手を強く強く握ることで、言葉に応えた。


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