姪は叔父さんに恋してる
「えっ、智充(ともみ)叔父さんが来るの!?」
読みかけの漫画を乱暴に閉じて私は目を剥いた。
それに驚いて、お母さんは食器を洗う手を止める。
「びっくりさせないでよもう。そうよ。知り合いに貰った林檎をおすそ分けに来るって電話があったの。
今日の夜ですって。」
「じ、じゃあ家に上がるの!?大変!片付けしなきゃ!」
服のタンスはまだ余裕があるかな?
古い雑誌や新聞片付けなきゃ。
掃除機どこにあったっけ?
一人でバタバタと掃除を始めようとする私を、お母さんが呆れ顔で見た。
「知らないお客様じゃないんだから片付けなんて必要ないじゃない。
気を遣うと逆に智充叔父さんに悪いわよ。」
そうは言うけど、気を遣わないわけにはいかない。
だって来るのが智充叔父さんなんだから。