姪は叔父さんに恋してる


本当は言いたいことが山ほどあるのに、叔父さんのたった一言で思考が完全に停止して…。

目だけが右に左に不自然に泳ぎ最後に、自分の手にある紙袋に行き着いた。

「あ……。お、叔父さん、これ…!」

やや空いていた間を詰めて、紙袋を叔父さんに差し出す。


叔父さんは一瞬動きを止めたけれど、すぐに私からのお返しだということに気付いてくれて…、


「ありがとう、八智絵。」


とっても綺麗に微笑んで、私の手から滑るように紙袋を受け取ってくれた。

その手付きに、思わず見とれてしまった。


「さあ、早く家にお入り。
あまり長くなると、また義兄さんが怒り出してしまうかもしれない。」

「でも…っ、叔父さん、ちっともゆっくり出来なかったのにこんな……、追い返すみたいな真似…。」


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