姪は叔父さんに恋してる
ずっと居てとは言わない。
でもせめて、叔父さんの気が休まるまで居てほしかった。
名残惜しいことには変わりないけど。
「八智絵が来てくれたから、俺はそれだけで十分なんだ。
嬉しいよ。また今度、ゆっくり喋ろうな。」
「おじさ……。」
叔父さんの声が優しすぎて、頭が溶けてしまいそう…。
…でも、その“また今度”まで私は待っていられそうもない。
また今度…って、いつのこと?
突き詰めたいけど、そんなことをしたらまた叔父さんを困らせる。
私は何とか作り笑いを浮かべると、別れを告げるために叔父さんの両手を強く握った。
「叔父さんっ、また来てね!
お父さんがいない日でも、明日でも明後日でもいいし、いつでも!」
「はは、お邪魔したいけど、そんなすぐには来られないな。」
叔父さんは笑いながら、手を握り返してくれた。