姪は叔父さんに恋してる


ずっと居てとは言わない。
でもせめて、叔父さんの気が休まるまで居てほしかった。

名残惜しいことには変わりないけど。


「八智絵が来てくれたから、俺はそれだけで十分なんだ。
嬉しいよ。また今度、ゆっくり喋ろうな。」

「おじさ……。」

叔父さんの声が優しすぎて、頭が溶けてしまいそう…。

…でも、その“また今度”まで私は待っていられそうもない。
また今度…って、いつのこと?

突き詰めたいけど、そんなことをしたらまた叔父さんを困らせる。
私は何とか作り笑いを浮かべると、別れを告げるために叔父さんの両手を強く握った。


「叔父さんっ、また来てね!
お父さんがいない日でも、明日でも明後日でもいいし、いつでも!」

「はは、お邪魔したいけど、そんなすぐには来られないな。」

叔父さんは笑いながら、手を握り返してくれた。


< 47 / 245 >

この作品をシェア

pagetop