姪は叔父さんに恋してる
②
―――
「ライ、アート?」
叔父さんが帰った日から、私のベッドの上にはウサギのトモミくんが偉そうに陣取っている。
寝るときも抱いて寝てるから、少しくたびれて見えるのはあながち気のせいでもなさそうだ。
制服を着て、出発時間まで10分と迫ったとき、そんなトモミくんに付いてるタグに、なにやら可愛い印字がされているのを発見。
LIART(ライアート)と書かれた筆記体は、どうやらトモミくんを作った会社名らしい。
聞いたことのない名前だけど。
見れば見るほど可愛らしい細工に、叔父さんが私の好みをよく知ってくれていることを実感する。
「いってきます。」
トモミくんを定位置に戻し、軽く手を振ってから部屋を出る。
流石の私でも、学校までトモミくんを持っていく気にはならなかった。
大事な大事なプレゼントだもの。汚い学校で汚れたりしたら大変。