姪は叔父さんに恋してる
「おはよう。そうそう、昨日はこれ貸してくれてありがとう。とても面白かったよ。」
出会うなり鞄から一本のDVDを取り出す先輩。
それは私が昨日貸した物だ。
大人向けファンタジー、と称せる洋画で、なんと言っても叔父さんの一押し。
鑑賞用と保存用に、我が家にはこのDVDが二枚あるという事実はまだ誰にも言っていない。
「どういたしまして。
ねっ、面白かったですよね!
私もこれ大好きなんです。」
「八智絵は洋画より、子ども向けアニメ好きかと思ってたよ。
誰かにお勧めされたのかい?」
男の人みたいな口振りの先輩。
少し、叔父さんを思わせるからこの子は好きだ。
「私の叔父さんの一押しなんですよ!良かった、先輩にも気に入ってもらえて。」