姪は叔父さんに恋してる


でも、別れ際、


「八智絵は叔父さんから、何も言われていないかい?」


「?」


先輩が、よく分からない質問をしてきた。

叔父さんが、何を言うって?
昨日も叔父さんから妙な質問をされて、今日は華実先輩?
…質問習慣か何かか?

その妙な質問のことを言おうと思った。
…でも、それを伝えたところで疑問が解消される根拠はない。

それなら言うだけ無駄な気もする。

だから私は首を横に振った。


「そう…。ならいいよ。」

先輩は附に落ちない様子だったけど。
そのまま軽く挨拶を交わし、体育館のほうへ向かう華実先輩の背中を、やや怪訝な表情で見送った。


…なんだか、私の周りで知らぬ間に“流れ”が生まれてるみたい。

私だけ知ることを許されない壁のような…靄のような。




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