姪は叔父さんに恋してる
でも穏便に事を進めるのが悪い筈もない。
キャッチにはきっぱりはっきり断るのが一番と聞くし。
勿論、これは叔父さんからの入れ知恵だ。
「私、興味ないです。未成年ですし。」
差し出された広告を突っ返す。
キャッチの人は一瞬、不愉快そうに眉をひそめたけど、すぐに営業スマイルに切り替えた。
「気強いなぁ君。
じゃあこうしよう。お試しとしてさ、一度働くだけでいいよ。
うちに来る客、割りとカッコイイの多いからさホント。
ね、一回だけ!」
「…カッコイイ?」
ぴくりと反応して見せる。
するとキャッチの人は「しめた」と言わんばかりに口角を上げ、
「そーそー!マジカッコイイ!
働いてれば、君の好みの男も来るかもよ?」
それを訊いて私は、
「へー。」
楽しげに笑った。