† 小悪魔にご用心†
――――・・・・・・
「はぁ・・・・・・」
入り口にいる小悪魔にばれないように、
背を向けてまた溜息。
なんで・・・・
「部長、どうしたんすか?」
俺の顔を覗き込み、
首をかしげる後輩の谷。
「なんでもねーよ」
「そっすか、それより部長!」
俺にどうしたって聞くより、
目を輝かせながら聞いてくる谷。
俺の心配より、
そっちの方が重要らしい。
くっそ、しばくぞ・・・・・
「今日も人一倍ファンの方が多いですが!」
「何キャラだよ、それ」
「あの、人一倍美人なんは誰っすか!?」
「はぁ? どいつだよ」
「あのカメラ持ってる人っす」
そう言って指差す方を向かなくても、
何となく分かってしまって。
また溜息が漏れる。