† 小悪魔にご用心†
「ねぇ、谷澤くん」
不意に呼ばれた名前。
何も気にせず、
その掛けられた声に答えた。
「何」
「谷澤くんっていっつもそうなの?」
「は?」
「なんて言うか、
あんまりしゃべらなくて無口みたいな」
「ぺらぺら喋る方じゃない、かな」
「誰にでも?」
「え? ・・・・・まぁ」
小悪魔の言ってることが分からなくて、
少し目を細める。
なんだ、コイツ?
そう思う俺とは対照的に
「よかったぁ~」
小悪魔は安堵の声を漏らし、
いつものようににっこり笑った。
「え、何・・・・・・・?」
「あのね? あたしと谷澤くんってあんまりしゃべった事ないでしょ?」
「まぁ・・・・・」
「それに今も全然話さないし、
あたし嫌われてるのかと・・・・・・」