† 小悪魔にご用心†
自分の行動が、
こんなにも分からなかったことはない。
自分が履こうとしてた上履きを、
子悪魔に向かってぶら下げてる。
「え、でも悪いよ・・・・・・」
「悪くねぇよ。
イヤだったら別にいいんだけど」
小悪魔へと伸ばした腕を、
また下までおろす。
「イヤじゃないけど・・・」
「じゃ、はい」
“イヤじゃない”。
小悪魔がはっきりそう言ったから、
また腕をつき伸ばす。
よく考えれば俺の所為じゃん。
コイツがこんな事なってんの。
“写真を撮るため”に、
俺の近くにいる小悪魔。
俺が写真撮られるような事になってなきゃ、
コイツは今頃こんな事なってない。
いつまでたっても上履きを受け取らない子悪魔を見かねて、
俺は小悪魔の足元に
上履きをそっと置いた。