† 小悪魔にご用心†
ひょこっと俺の顔を覗き込み、
至近距離で目が合う。
小悪魔の大きな瞳に、
俺の姿がはっきり映った。
やべ・・・・・・・・
おかしくない程度に、
小悪魔から目をそらす。
「どうしてって、
歩きにくいだろでけーし」
「少しは歩きにくいけど、
スリッパよりかはましだと思うよ」
「あそ・・・・・・」
短い返事をしたのに、
何故か満面の笑みの小悪魔。
「やっぱり、谷澤君は優しいね」
――――優しい?
「俺、人にやさしいとか言われたことないけど?」