† 小悪魔にご用心†



自分に振り注ぐお茶。




すんでのところでそれを避け、
俺を思いっきり睨んでくる。




「んだよ!! それ、仕返し!?」


「バカかお前は」


「はぁん!?」


「何で俺が好きなんだよ」




飲み終えたパックを、
右手で握りつぶして呟く。





「俺が、好きになるわけねぇ」




握り締めたパックが、
右手の中で音をたてる。



そうだ。




あいつは子悪魔で、
誰にでも愛想振りまいて、



誰にでも同じ態度なんだ。




それがムカツク。



何も特別な物なんてなさそうで、
自分もその1人だって思ったとき





どうしようもなく腹が立つ。






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