† 小悪魔にご用心†
除々につかまっていった奴。
赤い果実を取ってしまった奴。
そんな奴らよりも、
俺の方がバカだったんだ。
だって、
俺は一瞬で福森に恋に落ちたから。
時間なんて要らなかった。
だた惹かれてしまった。
時間も要らなければ、
理由なんてのも要らなかった。
だた、好きだったんだ――――
たどり着いた校舎裏。
息を切らしてまで走っていった場所に、
女子たちの姿はもちろん。
福森の姿はなかった。
「・・・・・・谷澤くん?」