† 小悪魔にご用心†
かすかに聞こえた声。
その声に反応して、
勢いよく後ろを振り返った。
「福森!?」
「はっ、はい!!」
「どーーなった!
なんもなってねぇか!?」
「あっ、無傷です!」
俺の大声にびっくりしながらも、
けろっと答える福森。
元気そうなその姿に、
俺は特大の溜息を漏らした。
「はぁぁぁあああ・・・・・」
「あの・・・・大丈夫?」
切れる息を押さえる事もなく、
ぜーぜー言いまくる俺。
なんか俺の方が重症っぽいし。
つーか、逆に心配されてるし。
「なんで、んなけろっとしてるわけ?」
膝に手をついて前のめりになりながら、
目の前に立つ福森を見る。