† 小悪魔にご用心†
普通ならもうずっと
この席でいいと思うんだろうけど、
俺はさっさと席替えがしたかった。
この席は嫌でも子悪魔とトナリになる。
逃げようがないのだ。
小悪魔が俺に話し掛ければ、
男子から冷たい視線で睨まれる。
その次の休み時間には、
何を話してたとか天音ちゃんのタイプを聞けとか。
話したら怒るくせに、
俺に小悪魔と関わらせたがる。
いや、関わらせたがってんじゃねーな。
自分で行くのが怖いだけか・・・・・・
でもそんなもんどーでもいい。
ほら、小悪魔が帰ってきた。
本当に子悪魔を思わせるかのようなクルクルした黒髪。
なぜかいつも濡れたような赤い唇。
大きな目の周りは長いまつ毛で縁取られ、
瞬きするたびにばさばさしている。
小悪魔を見ていると、
目が合ってしまった。
そしてコレ。
なぜか目が合うたびに、
にこっと笑って返すのだ。
なぜ、笑う?
目を伏せ、小悪魔を視界から追いやる。
そして子悪魔が座ったと同時に、
ムッティが教室に入ってきた。