先生とアタシの接点


あと1メートル位で海水に触れるところまで歩くと、転がっていた大き目の流木に腰を下ろした。



「優人…ちょっと風冷たくなってきたね。」

5月だけどだいぶ寒い…。

ストレートに『寒い』って言ったらすぐ『車戻ろう』って言うよね?

ダメダメ。我慢…。


「大丈夫か?よし!じゃぁコレに跨って座ってみ?」

えっ?どっち向いたらいいの?

右向いたら優人に背中向けちゃうし、向いたら向かい合っちゃうし…。

背中向けるの嫌だけど向かい合ってたら変に目逸らしちゃうよ…。

優人…何考えてるんだろぅ…。

迷って一人でクルクル回転してた。



「ぶはははは。何やってんの~?」

優人が噴き出して笑った。

「だって…どっち向いたらいいかわかんないから…。」

「あ~ごめん。右向いて?」

「はい…。こうでいいの?」

アタシはクルッと向きを変えて座った。

跨って何するんだろう。背中向けちゃった…。

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