先生とアタシの接点

それから、ビックリする程香織はハイテンションだった。


名前を呼ぶと返事をする事に感動してベタ惚れ。

『カワイイ』って連呼するかのように喜んでいた。

親バカ?

『カワイイ』を連発する香織の方が可愛い。


子猫の名前は『ミルク』。

家に帰ると近所を散歩して、一通りの世話が終わると自分の部屋で猫と語るらしい。



俺には香織が話そうと思ったタイミングを逃したり、『猫』の為に急いで帰るってのが子供っぽくて恥ずかしいと感じたらしい。

俺はそういうところも素直で好きなんだけどな…。


でもやっぱり猫に負けたのはショックだった。

秘かに芽生えていたライバル心。

相手が猫だと分かった今でも、俺の小さなライバル心はなかなか消えない。



電話の後、ミルクの写メが送られてきた。

ライバルだ…。

まぁ、毎日香織と一緒に過ごしているライバルに勝てっこないけど…。

何故かミルクの画像を香織の着信画像に設定した。



旅行まであと一ヶ月…。

俺は虚しさを紛らわす為、旅行の事を考えながら眠りについた。


< 161 / 267 >

この作品をシェア

pagetop