先生とアタシの接点


まだ夏休みに入ったばっかりだけど、絵里と二人で話すは一週間ぶり。

絵里はアタシがさっきから考えていた事を口にした。

「二人に話す…とか考えてるの?」

「うん…でもまだ早いかなって…。」

「そうだね。早いっていうか…刺激強いかも。」

刺激って大げさ…でもないか。

先生と生徒…だもんね。



葵も理沙も少し天然っぽいところがある。

面白いんだけど、仲良く成り立てだから?

打ち明けたらもっと仲良くなれる気がするんだけど…真面目な話はまだ抵抗がある。



優人は『心から信頼できる友達には話してもいいよ』って言ってくれた。

アタシ達は恋バナが絶えない年頃だから、皆と同じようにそういう青春も過ごして欲しいって。

優人には結構ドキドキさせられるけど、アタシの事をちゃんと考えてくれる。

彼氏としての優しい一面。



葵や理沙がこの先『心から信頼できる友達』になってくれるなら、話したい。

そして優人の事、自慢の彼氏だって…言いたい。


言えない今も幸せ。

…だけど、言えた時も幸せなんじゃないかって思う。



潮風を浴びながら、一人考えていた。

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