先生とアタシの接点
恋バナも盛り上がってきたところで、部屋の戸をノックする音が聞こえた。
顔を見合せていると、戸が開いた。
戸の向こうには立膝の女将さん。
「失礼致します…お客様がお見えになりました…」
首をかしげるアタシ達に、女将さんは笑顔を振りまく。
お客様…?
誰?
…部屋間違えてない?
「あの…」
葵が途中まで言いかけると、女将さんの後ろから男性が入ってきた。
次の瞬間、驚きの奇声と黄色い声が入り混じった。
入ってきたのは…アタシの大好きな人。
…優人。
「ゅ…先生!!どうしたんですか?」
いつ来たんだろ…。
来るなら教えて欲しかったな…。
「や~…お前たち生徒だし俺の紹介だから…旅館に挨拶がてら顔出そうと思ってさぁ。そんなにビックリしたか?」
葵と理沙はやっぱりファンだね…。
ちゃっかり優人の左右に居る。