先生とアタシの接点

トイレから部屋に戻って歩いていると、絵里がこっちに歩いてきた。

ニヤニヤしてるよね…。


「香織…遅いよぉ。先生花火買ってきてくれたよ?」

「花火?」

花火なんてしばらくやってないよ…。

考えもしなかった。



「砂浜でやろうって。葵と理沙はバケツ置けそうなところ探しに先に行ったよ。」

「そっかぁ。…で何ニヤニヤしてるの?」

「だって…先生が香織を駐車場に呼び出してって言うから…。」

「駐車場?」

あったっけ?

そう思いつつもアタシの顔はすぐ真っ赤になった。

「じゃぁ私はのんびり向かうね。」

絵里はニコニコしながら歩いて行った。


アタシは部屋へダッシュで向かってケータイを片手に小走りした。

こんな嬉しい呼び出し始めてだよ…。

でも、葵と理沙には話してないから二人でのんびりはできないよね…。



アタシは嬉しさと共に現実を胸に感じながら駐車場へ向かった。






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