先生とアタシの接点
「香織~!全然進まな~い!」
「アタシも…。ちょっと休憩!」
アタシと絵里の初めての船漕ぎは十分も経たないうちに終わった。
男性に比べて体力が無いアタシ達には無理だった。
休憩と言いつつも、心のどこかで男性陣が代わってくれるのを待っている。
言わなくても二人には伝わっていた。
「代わるよ?疲れただろ…」
「うん…ちょっと疲れたぁ。ありがと。」
優人が漕ぎ始めると、達弥も漕ぎ始めた。
帰り道は勝負はしない。
今の貴重な時間を大切に過ごす。
ゆっくりと。
それはアタシと優人だけじゃなくて、絵里と達弥も同じ気持ち。
絵里カップルも歳の差の為か、なかなか二人で会う時間がとれないから。