先生とアタシの接点
一瞬そんな事が頭の中を過ぎったけど、これから着替えて昼メンバーに挨拶をしなきゃ
いけないので、倒してしまったチャリ達を慌てて直し、裏口へ向かった。


いつもより少し余裕を持ってきたはずなのに「余裕」と呼べる貴重な時間は見事にドミノ戻しに費やされた。

いつも通りすばやく着替えることになったのは言うまでもない。
…ツイてない。大失態だ。

素早く着替えて更衣室を出る瞬間に時計と睨めっこ。

「シフト表を見る時間位あるかな。」と判断して、慌ててシフト表に手を伸ばす。


今日は朝9時から夕方6時までの長いシフト。1時間の休憩を入れて9時間もこの場所にいる事になる。

いつもは学校帰りで3時間とか4時間だから倍の時間も働くんだ。知っていたシフトなのに今更気づいたのが情けない。

改めて見ると、8時間って結構長くない?
なんか暇人バレバレじゃん…。絵里みたいに年上の優しい彼氏と恋愛したいな~
王子様現れないかなー。


これから新しい昼メンバーの名前だけでも覚えなければいけないのに、シフト表を見ながらそんな事を考えてしまった。

―このちっぽけな悩みが「片思い」という名の"恋の悩み"に変わる瞬間が近づいているとも知らず―

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