先生とアタシの接点
博物館は意外にも旅館から近かった。
食後の運動にはちょうどいい距離…。
釣具屋が並ぶ通りの先に、旅館と同じ位の大きさの建物があった。
アタシ達は社会科見学に来たような気分……。
博物館の中には野生動物の剥製や魚拓が展示されていた。
都会にはこういう場所が少ないから、思っていたより楽しかった。
途中で狼の剥製からうめき声みたいなのが聞こえた。
『…ぅ~ぅ…』
「何?今の!」
「何か聞こえたよね?」
「ぅわっ!一人いねぇ…。」
絵里と達弥とアタシは一瞬で青ざめた。
優人がいない…。
…どこ行っちゃったの?
も~…こんな時に……。