先生とアタシの接点

博物館は意外にも旅館から近かった。

食後の運動にはちょうどいい距離…。


釣具屋が並ぶ通りの先に、旅館と同じ位の大きさの建物があった。


アタシ達は社会科見学に来たような気分……。




博物館の中には野生動物の剥製や魚拓が展示されていた。

都会にはこういう場所が少ないから、思っていたより楽しかった。



途中で狼の剥製からうめき声みたいなのが聞こえた。

『…ぅ~ぅ…』

「何?今の!」

「何か聞こえたよね?」

「ぅわっ!一人いねぇ…。」

絵里と達弥とアタシは一瞬で青ざめた。


優人がいない…。

…どこ行っちゃったの?

も~…こんな時に……。


< 205 / 267 >

この作品をシェア

pagetop