先生とアタシの接点
迷うはずもない博物館の中でも探そうとしたタイミングで優人がひょっこり顔を出した。
「どこ行くんだよ…俺ここだよっ。」
その声にみんな唖然…。
優人の後ろってさっきの狼の剥製だよね…?
そもそも剥製なんだからさっきの声もありえない…。
アタシだけじゃなくて、絵里も達弥も確信した。
「先生でしょ!?さっきの~!」
「どことなく声似てるしな…。」
絵里と達弥が優人を問い詰める。
「バレたか…ははは…」
苦笑いをしながらも、優人は白状した。
「あ!もうこんな時間…。」
みんなで時計を見た。
新潟行くんだった…。
「じゃぁ博物館はこれで終わり!旅館戻って出発だな。」
優人の掛け声に賛同して、早足で旅館へ戻った。