先生とアタシの接点


「やっぱりコレが一番好き。」

二人でしゃがんで静かに〆の線香花火の小さな光をを見つめる。

最後まで続くか、続かないかを分ける火花は、落ちる度にどこか寂しさを感じさせた。



明日帰るんだよな…。

現実の世界に…。


香織は楽しめたか…?

こんな事しかしてやれなくてごめんな…。



俺は線香花火に向かって心の中でつぶやいた。






最後の線香花火が終わるまで、誰一人来ることなくずっと二人だった。

「あ~!!落ちちゃった…。最後だったのに~。」

香織が悔しそうな顔をしながら肩を落とした。


「そんなにガッカリするなよ。また花火やろうぜ?」

『いつ』とは言えねぇのが悔しくてたまらない。




香織も本当は『いつ?』とか聞きたいの我慢してるんだろうな…。

罪悪感みたいなものを感じるぜ…。
< 229 / 267 >

この作品をシェア

pagetop